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発火に注意の必要なリチウムポリマー電池
ドローンのバッテリーのほとんどは、スマホにも使用されているリチウムポリマー電池です。
高出力で、且つ軽量にできるため、プロペラを回して空を飛ぶドローンには最適な電池と言えます。
しかしながらスマホでも話題になりましたが、リチウムポリマー電池は取り扱いを間違えると、発火や火災に繋がる危険性を含んでいます。
また、リチウムポリマー電池は衝撃に弱いという特性もあります。

高電圧・過充電による発火実験

以前、東京消防庁がPhantom3シリーズのドローンのリチウムポリマー電池に高電圧・過充電をした場合の発火実験を行いました。
通常とは異なる高電圧の充電器で充電すると、リチウムポリマー電池がみるみるうちに膨張し、最後には発火してしまいます。
ドローンで使用されているリチウムポリマー電池は容量が大きいため、充電方法を間違えると容易に発火することがこの実験で明らかになっています。

リチウムポリマー電池の発火の危険性

リチウムポリマー電池は鉛蓄電池などに比べてエネルギー密度が高くなっています。
そのため、小型でも従来型の蓄電池より効率良く大容量の電力を貯えられます。
一方エネルギー密度が高く、電解液に危険物を使用していることから不具合が発生した場合は、重大事故の発生する危険性が高くなっています。
特にリチウムポリマー電池は満充電状態や放電状態での保管に弱いという性質を抱えています。
実際に過去、リチウムポリマー電池製造工場でリチウムポリマー電池を発火源とする大規模な火災が発生しています。
また、明治大学でも実験用ドローンに使用するリチウムポリマー電池が充電中に発火し、校舎を燃やすという事故が起きています。

リチウムポリマー電池の発火の防止

リチウムポリマー電池の発火を防止するには、基本通りに充電することであり、正しく使用すれば発火の可能性はほとんどありません。
以下のことを心がけます。

・指定された正規品の充電器を使用する(類似品を使用しない)。
・充電回数を守り、過充電を行わない。
・劣化した(膨らんだ)バッテリーを使用しない。
・充電は必ず見える場所で行い、不在時は避ける。
・高温な場所での充電、また高温な場所での保管をしない。
特にありそうなことが、「高温な場所」に保管してしまうことです。
スマホもそうですが、夏の暑い日に車の中の陽の当るところに放置していたため、バッテリーが膨らんだということをよく耳にします。
それに気が付かないで使っていると、発火に繋がる危険性があります。

リチウムポリマー電池の使用上の注意

リチウムポリマー電池を使用する上では以下のことに注意します。

・リチウムポリマー電池を濡らさないようにする。
・金属に直接接触しないようにする。
・強い衝撃を与えないようにする(激しく墜落したドローンの電池は使わない)。
・使用できる時間の短くなった電池は使わない。
・ドローンを長期間使用しない場合は、電池を外して保管する。
・電池はセーフティバックに入れて持ち運ぶ。
・PSEマークの付いている純正の電池を使用する。

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