空撮情報コラム|空撮BASE

ドローンの空撮を正しく楽しむために守り続けてほしい心得

どこまでも広がる景色、輝かしいドローンの活躍

映像記録やスポーツ、趣味用など、ドローンには様々な楽しみ方があります。
娯楽だけにとどまらず、農薬の散布や配達物の空輸にいたるインフラまで、用途は実に多岐に渡ります。
その利便性は、これまで不可侵であった空を自在に開拓する、まさに革命と言える技術です。
活躍するシチュエーションによって、実に様々なラインナップがありますが、空撮という目的ひとつとっても撮影シーンによって適した機種が揃っています。
例えば、おもちゃとしての性質が強い、軽く手軽なトイドローンがあります。
逆に、風が強い中でも比較的安定して飛ばすことができる重量モデルもあります。
両手がふさがり操作ができない場合などは、自動追尾機能のついたものなどもあります。
ヘッドマウントディスプレイに対応し、まさにドローン本体の視点で臨場感あふれる空中飛行が楽しめるスポーツモデルなど、ドローンの機能は日進月歩で広がりを見せています。

便利さの裏返し、ドローンの影の顔

しかし、光が強ければ影も濃くなるものです。
言うまでもなく、ドローンの反則的なまでの撮影機能を決して悪用してはいけません。
どこにでも忍び込むことができる眼——盗撮のことです。
2015年に、ホワイトハウス敷地内でドローンが墜落する事件がありました。
そもそもドローンは軍事目的で開発、発展してきた歴史があります。
そのため、この出来事はアメリカの最重要施設への盗撮(および爆破)目的であった可能性から世間を大いに賑わせました。
結局、これは酔っぱらった内部職員による事故と判明しましたが、この騒ぎによりドローンに関する規制が一気に強まりました。
もし万が一、軽い気持ちで節操のない撮影を繰り返し、見てはいけないものが映り込んでいた日にはどのような対処を受けるか分かりません。
これは犯罪行為の警告という以上に、自分自身の身の安全に関わることなのです。
「過ぎた好奇心は身を亡ぼす」といいますが、ギリシャ神話に語られるイカロスの逸話のように、他人の忠告も聞かず、限界を超えて高く飛んだために太陽の怒りに触れ、蝋でできた羽が溶けて死んでしまいます。
ギリシャ神話がドローンの出現を預言していたかどうか定かではありませんが、好奇心が高じて盗撮に悪用したり、ドローンをどこまで高く飛べるか試したりしている間に電波障害にでも遭おうものなら、地に落ちた先に待っているものは社会的な「死」かもしれません。

空の広さを決めるのは、今後のあなたの心がけ次第

身近な家電としては普及したばかりで、まだまだ新興のドローン業界です。
まだ関連する法の整備が追い付いておらず、いま大きな節目を迎えようとしています。
母数と共に増え続ける問題が顕在化し、不本意ながら、その解決のために免許制になることは時間の問題だといわれています。
せっかく空中を自由自在に飛ぶことができるのに、たった一つの軽率な迷惑行為のために窮屈な世界に狭まってしまいかねないのです。
そんな未来にならないためにも、凶器となり得る機械を扱い、加害者となり得る自覚をもって、安全に空の世界をエンジョイしましょう。

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